東京23区の都心各区では人口増加が続く

とはいえ、ひとくちに首都圏、東京といっても、一様に人口が増えるわけではない。市区町村によって増減率は大きく異なり、大幅に増加する市区町村があれば、そうではないところもある。それは、社会・経済の発展と密接に関係してくる。人口が増えれば、交通機関が充実し、公共施設、商業施設などの集積が進み、利便性が高まり、結果として不動産価格、住宅価格も上昇する可能性が高いのではないだろうか。

反対に、人口が減少すれば、過疎化、高齢化などが進み、地域の活力が損なわれ、各種の利便施設が減少、不動産価格や住宅価格が低下してしまうかもしれない。それだけに長い目でみた、マイホームの立地先選びがたいへん重要になってくる。

そこで、2020年比の2050年の指数を市区町村別にみると、指数が110を超える市区町村は図表1のようになっている。最も指数が高いのは東京都中央区の124.7で、上位には東京23区の港区、千代田区、台東区、文京区、江東区などが並んでいる。

しかし、東京23区でも、葛飾区は99.5、江戸川区は97.3と100を割っている区もある。長い目でみると、資産価値に差が出てくるかもしれない。東京23区ならOKということではないので、注意しておきたい。

【図表】2050年人口が2020年比で10%以上増える市区(2020年を100とした指数)
出典=国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(2023年推計)

流山市の2050年人口は2020年に比べて2割増

そんななかで注目しておきたいのが、東京都23区以外にも大幅な人口増加が見込まれる自治体があることだ。

そのトップが2020年比の指数が120.9と、2割以上の増加が見込まれる千葉県流山市。周知のように、流山市は千葉県北西部にある都市で、2024年3月1日現在の人口は21万1648人で、千葉県では市原市に次いで7番目の人口であり、人口規模などではそう目立つ都市ではない。その中堅都市になぜ人口増が見込まれているのか。

第一には、2005年につくばエクスプレスが開業して、東京の都心へのアクセスが向上、流山おおたかの森駅を中心に、良好な住環境が形成され、駅周辺には大型商業施設が集積、利便性が飛躍的にアップしたことが挙げられる。

園庭を駆け回る園児たち
写真=iStock.com/paylessimages
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流山おおたかの森駅から秋葉原駅までは8駅、乗車時間は最短25分で、途中の北千住駅では東京メトロ日比谷線・千代田線、JR常磐線、東武スカイツリーラインに乗り換えることが可能。都心の各方面だけではなく、郊外やリゾートエリアへのアクセスにも恵まれている。